- ご相談者
- 埼玉県 Y様(48歳 女性)
- 家族構成
- 夫・子供2人(中2・高3)
- ローン残債
- 4,080万円
- 売却時価
- 3,200万円
相談内容・相談者の状況
結婚以来、家計管理は私の担当でした。息子たちには十分な教育を受けさせたいという一心で、小さい頃から塾や習い事の費用は惜しみませんでした。
しかし、中学・高校と進学していく中で、家計は恒常的な赤字となり、夫の役職手当のカットや、ボーナスの大幅な減額で、貯蓄を切り崩しながらなんとか家計を回している状態でした。夫に家計のことや子どものことを話したくても、なかなかタイミングがつかめず、住宅ローン返済日に資金不足となり引き落としができないという事態が起きてしまったのです。
早く伝えなければと思っていたのですが、「次の給料日が来たら話せばいいか」と先延ばしにして、相談できないままずるずると延滞が重なり、次第に夫に言いづらくなってしまいました。私にはどうしようもなく、金融機関になんの連絡も取らず、ついに裁判所から競売開始決定の通知が送られてきました。
夫には話すことができません。なんとかして下さい。
現況について
- 毎月の返済額:250,000円
- 給与:620,000円
このような事例の注意点
競売開始決定の通知が届いた段階では、住宅ローンの残額を一括返済するか、マンションを任意売却して返済するかしか方法はありません。この事例では、名義がご主人様でしたので相談者様おひとりで処理することができない状態でした。このような場合は、早急にご主人様(もしくは共同名義人)とご相談し、延滞期間などの状況を整理しておくことが大切です。
後日改めてYさんから、ご主人に事実を伝えたので今後のことを相談したいとの連絡がありました。Yさんご夫婦の家は、グレードの高い物件だったので、ある程度の価格は見込めました。しかし、頭金を1,000万円以上入れてあるとはいえ、売却しても債務は残ります。
幸い、債権者が1社だったので、 任意売却の交渉はまとまり、予定していた3,400万円で買い手が見つかりました。
解決内容と結果
金融機関との交渉を行い、任意売却を進めました。さらに、新たな所有者との交渉により、そのまま住み続けることが可能となりました。債務は残りましたが、ご主人様の仕事も順調なので、個人再生といった法的処理はせず、債務も返済することでまとまりました。本事例はご相談者様の許可を得て掲載しておりますが、相談者様を特定される恐れのある内容は差替えさせていただいております。