サブリースとは、物件を一括賃借し、分割またはそのままの規模で第三者に転貸する事業形態のことをいいます。物件の所有者が運用のノウハウや運用方法をもっていなくても、サブリース事業者に料金を支払って運営の代行を委託し、サブリース事業者は自社のノウハウや人員を用いて物件をを運営することをいいます。 「○十年の一括借上」や「家賃の保証システム」などといった、一見オーナーに有利な内容にみえますが、以下の問題点があります。
- 不動産会社が指定した建物を建築する必要がある
- 管理・修繕などは不動産会社が指定した業者・仕様となる場合がある
- 賃料は必ずしも長期間一定ではない
- 最近では、地方部の場合、都市部への移転などで空室・家賃下落が起きており、これを避けるため5年毎に見直す条項を入れており、超長期(10~15年)の家賃保証を避ける体制をとっている
- 家賃保証の場合、実家賃(実際入居者が支払う家賃)と転貸家賃(オーナーから一括借上げる家賃)の差額(保証料)は、10~15%ですが、転貸開始後数年(3~4年)で空室発生が激しく、家賃を下げざるを得ずこの差額が逆転するケースが発生している
上記の様な問題点から、当初見込んでいた収入が得られず、ローンの返済が困難になってしまうケースが増えております。
ちなみに、物件というのは購入した時点から「収益還元法」により、既に価格が下落しています。購入時は、物件の価値に対する価格に販売会社の利益や経費、営業マンの歩合が加算された状態で販売されます。しかし、売却時にはその物件から得られる収益を元に販売価格が決められます。
収益還元法とは?
不動産価格の評価方法の一つで、不動産の収益性に着目し、その不動産から将来得られるべき価値を現在価格に割引きして評価する方法です。
例)家賃が10万円の場合:10万円x12ヶ月=120万円となり、1,200万円ほどの販売価格
ということで、購入時の価格は一切考慮されないのです。
「家賃保障システム」がトラブルの原因!
購入者への空室に対する不安を解消するために、販売会社・管理会社は家賃保証を提案してきます。
「家賃を保証してくれるなら安心」と感じますが、実はこの制度が多くのトラブルを生んでいます。家賃保証をする管理会社は、自社が損をすることは絶対にしません。損害が発生しそうになったら、時期を見て契約の見直しを提示してきます。また、この契約更新時期に断れない契約内容になっていることが多く、仮に断ると管理契約そのものを破棄してきますから、オーナーは後に引けない状況となります。よって、仕方なく管理会社から提示された条件を承諾するしかなくなり、赤字経営の厳しい運用が続くこととなります。