- ご相談者
- 東京都 N様(30代 男性)
- 家族構成
- -
- ローン残債
- 4500万円
- 売却時価
- 3420万円
相談内容・相談者の状況
都内にお住まいのN様より、ご自身で所有している投資用ワンルームマンションのご相談をいただきました。
N様は、以前から「サラリーマン大家さん」に興味をお持ちで、関連書籍も数冊読んだそうです。
そんなあるとき、機会があって、マンション投資に関するセミナーへ行き、
その後運営会社からの紹介により築10数年の中古ワンルームマンションを2戸、
その半年後に似たような築10数年の中古ワンルームマンションを1戸、
それぞれ1000万円台で購入されました。
新築ワンルームよりも中古の方が利回りが良い、価格も安い、という言葉に妙に納得し、
2戸を同時に買い、どちらも空室ではあったものの一年間の家賃保証もついていたことから決断したそうですが、
1戸に入居者は入ったものの、半年たってももう一方に借りてはつかず、そんな折に
「もう1戸買ってはどうか、こちらも一年の家賃保証をつけるから、
既存の2戸があと半年で家賃保証が切れても、リスクヘッジになる。」と言われ、買ってしまったそうです。
初めの購入から約3年、聞かされていた想定賃料で借りてはつかず、家賃を下げたり、
物件の設備に不具合が生じて修理交換費用が発生したり、借り手がついても1年足らずで退去してしまったり、
3物件の内容が頭の中でごっちゃになり、管理把握もできなくなり、
読んだ聞いたで描いていた「サラリーマン大家」とはかけ離れた現実に苦しくなり、
みどり住宅相談所へご相談に来られました。
【解決】
N様の物件は、初回に購入した2物件(物件AB)は同じ銀行、追加の1物件(物件C)は別のノンバンクからの融資でした。
3物件どれもローンを完済させられる金額での売却は到底見込めない物件相場でしたので、
債権者と交渉をいたしました。
物件Cの債権者は、そのノンバンクの指定の不動産会社も販売活動に参加させてほしいや、
今の入居者の賃料を差押えて返済にまわす手続きの検討中であるなど、
また、その入居者が退去した時には室内リフォームをして、物件価値を上げてほしいなどの
注文はあったものの、最終的には複数の申込の中から最高値の買主に売却することを承諾。
一方物件ABの債権者は、一向に完済以外の売却に応じず、長引く交渉をしているうちに
その債権を別の第三者サービサーへ売却。譲り受けた新たな債権者と面談・交渉ののち
無事売却をすることが出来ました。
【投資マンションの任意売却】
本件は、一様に「だまされた!」とは言え難いですが、想定賃料や物件価格は相場に比べて高い設定でした。
その証拠に3物件購入金額と3物件売却金額には大きな乖離があり、
その乖離した金額こそがN様の残ってしまった債務であり、販売会社の利益だったのかも知れません。
また、家賃保証と言う制度も「安心」の裏に「危険性・不確実性」が隠れている場合もあり、
保証の切れるタイミングでのローン破綻も後を絶ちません。
実際、一部銀行も、その家賃保証付契約の融資を制限し始めています。
相対的に、
住宅ローンの任意売却に比べて投資マンションの任意売却は、
債権者の売却承諾価格や協力が厳しい傾向にありますが、
みどり住宅ではよりクリアな解決を常に目指しております。
本事例はご相談者様の許可を得て掲載しておりますが、相談者様を特定される恐れのある内容は差替えさせていただいております。